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特集 動脈硬化性疾患予防ガイドライン2017

特集にあたって

山下静也

The Lipid Vol.29 No.1, 13, 2018

わが国では,心筋梗塞・狭心症などの冠動脈疾患を含む心疾患や,脳梗塞・脳出血などの脳血管障害による死亡は総死亡の約30%にも及んでいる.これらの疾患の基盤にある動脈硬化の発症予防や治療法の確立は喫緊の課題である.日本動脈硬化学会では1997年に高脂血症診療ガイドラインを発表して以来,5年ごとに改訂を重ねてきた.今回の『動脈硬化性疾患予防ガイドライン2017年版』ではMINDSの手法に基づいた文献のsystematic reviewを行い,危険因子評価における脂質異常症,動脈硬化性疾患の絶対リスクと脂質管理目標値,生活習慣の改善における食事療法と薬物療法ではclinical question(CQ)を設定し,その回答と説明を記載したが,CQを設定しない項ではエビデンスや推奨レベルを記載したステートメントの提示と解説を記載した.また,冠動脈疾患の絶対リスクによる評価を,冠動脈疾患の10年間における発症率をアウトカムにした吹田スコアへ変更し,二次予防での高リスク病態におけるLDLコレステロールの厳格な管理を主な改訂点とした.家族性高コレステロール血症(FH)の項では,成人および小児FHの記述を改訂し,新たな脂質異常症治療薬として上市されたPCSK9阻害薬,MTP阻害薬も記載した.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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