<< 一覧に戻る

見る脂質のページ

ライソゾーム酸性リパーゼ欠損症

村上潤福嶋健志

The Lipid Vol.29 No.1, 4-9, 2018

ライソゾームは細胞内小器官であり,不要となった組織や細胞の構成成分を取り込んで加水分解する働きをもつ.ライソゾーム病はライソゾームに局在する酵素活性が失われるために基質が分解されず蓄積し,種々の臓器の肥大と機能障害を引き起こす.このライソゾーム病のひとつにライソゾーム酸性リパーゼ欠損症(lysosomal acid lipase deficiency;LAL-D,OMIM® 278000)がある.
LAL-DはLIPA遺伝子変異によりLDL受容体を介して細胞内に取り込んだコレステロールエステルやトリグリセライドを加水分解する酵素であるライソゾーム酸性リパーゼ(LAL)の活性が低下し,全身の臓器のライソゾーム内にコレステロールエステル(CE)・中性脂肪(TG)が蓄積する常染色体劣性遺伝疾患である1,2).LAL-Dは臨床的に2つの主要な表現型を呈する.乳児型のWolman病(Wolman disease;WD) と小児・成人型のコレステロールエステル蓄積症(cholesterol ester storage disease;CESD)である.LAL活性がWDは完全欠損,CESDは部分欠損(正常の1~12%)であり,WDがより重症であるが,この2つの疾患は完全に分かれるものではなく,疾患の連続性がある.希少疾患であるが,日本を含むアジアでのCESD発症頻度はいまだ不明である.両病型とも性差はない.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

一覧に戻る