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症例検討 脂質代謝異常症への多角的アプローチ

第122回 劇症1型糖尿病発症急性期の脂肪肝形成過程を遊離脂肪酸の病態から捉えた一例

松尾崇後田義彦

The Lipid Vol.28 No.4, 78-84, 2017

症例は32歳,女性.心窩部痛が3日間持続し当院に紹介入院(発症第3病日).上腹部痛,血清膵外分泌酵素上昇,膵び漫性腫大,炎症反応高値から急性膵炎と診断.治療にて膵炎は改善したが第8病日に糖尿病性ケトアシドーシス(diabetic ketoacidosis;DKA)を伴う劇症1型糖尿病(fulminant type 1 diabetes mellitus;FT1DM)を発症した.インスリン投与で血糖値は改善したが, 第14病日に肝機能障害を伴う脂肪肝が出現した.血清遊離脂肪酸(free fatty acid;FFA)値は入院時440μEq/L(基準値140~850μEq/L),DKA発症の第7~8病日に2,097μEq/Lへ上昇し,脂肪肝発現時の第14病日に246μEq/Lと低下した.急性膵炎治療後に一過性の肝機能障害と脂肪肝を認めたFT1DMの1例を経験したので報告する.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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