生活習慣への介入による3%程度の体重減少により,肥満に伴う耐糖能異常,高血圧,脂質,肝機能,高尿酸血症などの健康障害の改善が包括的に得られることが明らかとなった.肥満を伴う2型糖尿病患者の治療において,生活習慣への介入による体重の減少を基本とする.薬物治療としては,GLP1受容体作動薬やSGLT2は体重を減少させるとともに血糖値を改善することができる.また外科治療が,体重を減少させて糖尿病を改善することが明らかとなってきた.肥満を伴う高血圧の治療においても生活習慣への介入を基本とする.薬物治療としてはARBやACE阻害薬が,肥満において糖尿病発症を抑制する効果が示されており,第一選択となる.
「KEY WORDS」2型糖尿病,高血圧,生活習慣,心血管リスク,メタボリックシンドローム