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特集 肥満症診療ガイドライン2016

2.肥満の判定と肥満症の診断基準

―メタボリックシンドロームとの概念の位置付けも含めて―

西澤均

The Lipid Vol.28 No.4, 19-24, 2017

BMI 25kg/m2以上の「肥満」を認め,健康障害を合併するか,将来の合併が予想される内臓脂肪型肥満を「肥満症」として,医学的に減量が必要な疾患と捉える.
疾患側からみると,肥満・内臓脂肪蓄積を病態基盤にするものとそうでないものを区別し,「肥満症」では,効率的に合併症の検索および減量を目指した介入を行う.
メタボリックシンドロームは内臓脂肪蓄積を基盤とし,糖・脂質代謝異常,血圧高値といった複数の代謝異常を合併する動脈硬化性心血管疾患の易発症状態といった一つの病態を捉えたものであり,動脈硬化性疾患予防を目指した概念である.食事・運動療法を基本とした内臓脂肪減少による複数のリスクの包括的な改善を目指すことを第一とすることは肥満症と共通している.
「KEY WORDS」肥満,肥満症,メタボリックシンドローム,内臓脂肪面積,ウエスト周囲長

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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