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特集 エピゲノムとメタボリズムのクロストーク

1. リジン脱メチル化酵素LSD1/2と糖脂質代謝制御

長岡克弥坂元顕久日野信次朗中尾光善

The Lipid Vol.28 No.3, 12-18, 2017

代謝物の動態はエピゲノム制御に直接的な影響を及ぼし,遺伝子発現パターンをダイナミックに変化させる.エピゲノム制御因子LSD1とLSD2はFAD依存性ヒストン脱メチル化酵素である.LSD1は脂肪細胞においてエネルギー消費を抑制し,肝癌においては好気呼吸から解糖系へ代謝をシフトさせることで癌固有のエネルギー代謝を促進する.LSD2は肝脂質代謝遺伝子の発現抑制にかかわる.これらの知見は,エピゲノム制御機構を標的とした新しい代謝疾患治療の可能性を示唆している.
「KEY WORDS」代謝,エピゲノム,LSD1,LSD2

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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