特集 肝疾患と脂質代謝
4. レムナント代謝における肝臓の役割
The Lipid Vol.28 No.2, 38-44, 2017
小腸で産生されるカイロミクロン(CM)と肝臓で産生されるVLDLは,肝臓で合成されるアポリポ蛋白(apo)Cやapo Eを循環血中で受け取り,異化を受けレムナントとなる.VLDLの産生と異化はインスリンの制御を受け,インスリン抵抗性ではトリグリセライド(TG)豊富な大型VLDLの分泌が増加し,異化も遷延する.CMとVLDLは血管内皮細胞表面でglycosylphosphatidylinositol-anchored high density lipoprotein binding protein 1(GBIHBP1)を介してリポ蛋白リパーゼ(LPL)によりTGの加水分解を受け,LPLが付着したレムナントとして循環血中を移動する.レムナントは肝細胞表面に発現するヘパラン硫酸プロテオグリカン,LDL受容体関連蛋白やLDL受容体とともに肝細胞に取り込まれる.
「KEY WORDS」インスリン抵抗性,リポ蛋白リパーゼ,アポリポ蛋白,ヘパラン硫酸プロテオグリカン,肝細胞
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