肝臓はコレステロール代謝における最も重要な臓器である.肝臓のコレステロール含量は,コレステロールの合成,排泄やリポ蛋白代謝などにより調節されている.肝臓での脂質代謝異常は血清脂質異常の主要な原因であり,家族性高コレステロール血症や糖尿病による血清脂質異常も肝臓での脂質代謝と関連している.肝機能は血清コレステロール濃度に大きな影響を与え,肝疾患では特有の血清脂質異常をきたす.脂質異常症治療薬の多くも肝臓を標的とするか,結果として肝臓を介して血清脂質を改善している.新しい機序の薬物も次々と登場しつつある.
「KEY WORDS」LDL受容体,SREBP-2,LXR,PCSK9,胆汁酸