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症例検討 脂質代謝異常症への多角的アプローチ

第120回 2型糖尿病におけるHDL亜分画とインスリン抵抗性との関連

松村剛松嶋和美杉内博幸荒木栄一

The Lipid Vol.28 No.1, 92-97, 2017

2型糖尿病は,動脈硬化性疾患の主要な促進因子のひとつであることが知られているが, その原因のひとつとして高トリグリセライド(TG)血症や低HDLコレステロール(HDL-C)血症などの脂質代謝異常の合併が考えられている.そのなかでも特に,糖尿病における低HDL-C血症は,インスリン作用の低下によりリポ蛋白リパーゼの活性低下が起こり,カイロミクロンやVLDLの異化障害の結果,HDLの産生が減少するために起こると考えられている.一方,糖代謝異常とHDL代謝との関係では,HDL-Cがインスリン分泌能やインスリン感受性を改善させるという報告1)や,HDL亜分画と糖代謝関連因子との解析結果が一部報告2)されている.しかし,HDL代謝と糖尿病の病態との関連性に関してはいまだ十分な検討が行われていない.そこでわれわれは,2型糖尿病患者におけるHDL亜分画とインスリン抵抗性関連因子との相関性の解明を目的とし,以下の検討を行った.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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