高トリグリセライド(TG)症は高LDL コレステロール血症と同様,心疾患の独立した危険因子であると認識されてきた.特に,近年の遺伝子変異に着目した疫学調査によれば,APOC3APOA5 などといった遺伝子の変異によるTG値の変化が心血管イベントの発症率に深く関与することが示されている.一方で,TG値を低下させることで心疾患のリスクを抑えることができるという明確なエビデンスはいまだに存在しない.しかしながら,ペマフィブラートやω3脂肪酸系の薬剤,アポCⅢ阻害薬など新たなTG低下薬の登場により,心疾患のリスクを制圧する上でTG値をコントロールすることの重要性が示されるかもしれない.
「KEY WORDS」TG 低下薬,フィブラート,LDL欠損症,アポCⅢ阻害薬