近年,欧米の血行再建後の予後は完全血行再建とそれに続く至適内科治療により心血管イベントは減少している.しかし,イベントは0にはなっておらず,至適内科治療を施行してもイベントリスクは存在し,これまで同定されていないあるいは確定していない危険因子が存在することも事実であり,この因子を残存リスクとよんでいる.その残存リスクのひとつとしてEPAが注目されているが,その理由は疫学研究で,低ければ心血管イベントが上昇し,介入により上昇させればイベント減少が立証されているからである.このような臨床成績から「心筋梗塞二次予防に関するガイドライン(2011年改訂版)」では,高LDLコレステロール血症患者にはスタチンに加え,高純度EPA 製剤の考慮はclass Ⅰとされている.そこで本稿ではω3系脂肪酸の臨床的意義について,これまでの臨床研究から概説する.
「KEY WORDS」ω3系脂肪酸製剤,TG,高純度EPA製剤,EPA+DHA製剤
「KEY WORDS」ω3系脂肪酸製剤,TG,高純度EPA製剤,EPA+DHA製剤