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特集 これからの高トリグリセライド(TG)血症治療

Ⅱ.高TG血症治療の現状と展望

1.高TG血症に対する食事療法

松井貞子吉田博

The Lipid Vol.28 No.1, 44-51, 2017

トリグリセライド(TG)高値は,カイロミクロンおよびVLDLとそれらのレムナントやsmall dense LDLの増加に関与し,低HDL-C血症をともなうことから,動脈硬化惹起性であると捉えられている.高TG血症に対する食事療法を実施する上では,リポ蛋白分画のアセスメントが重要である.本稿では,わが国における高TG血症に対する食事療法の現状として,動脈硬化性疾患予防ガイドライン2012年版を取り上げ,炭水化物,アルコール,n-3系多価不飽和脂肪酸,肥満の改善について主に欧米の研究成果を踏まえて言及する.さらに2015年に公表されたNational Lipid Association Dyslipidemia Recommendations part 2よりエビデンスに基づく高TG血症を管理するための食事の考え方を紹介し,日本における高TG血症に対する食事療法の課題についてまとめた.
「KEY WORDS」カイロミクロン,very low density lipoprotein(VLDL),炭水化物,魚油,地中海式食

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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