特集 これからの高トリグリセライド(TG)血症治療
Ⅰ.リスクとしての高TG血症
4.動脈硬化リスクとしての食後高脂血症
The Lipid Vol.28 No.1, 35-43, 2017
人体は24時間のなかで早朝空腹時を除けばほとんどが食事の影響にさらされている.したがって食後の血清脂質の動向を明らかにすることはきわめて重要である.非空腹時トリグリセライド(TG)値が動脈硬化性疾患と関係することは国内外の大規模前向き研究で明らかにされている.空腹時TGよりも非空腹時の方がより強く動脈硬化リスクを反映するとする大規模観察研究もある.非空腹時の状態ではレムナントリポ蛋白が血中に出現しており,この粒子の増加は動脈硬化症発症の原因となる.内臓脂肪蓄積との関係も非空腹時TGの方がより強く,この面からも非空腹時TGは空腹時TGと比べ代謝異常をより強く反映するといえる.
「KEY WORDS」食後高脂血症,非空腹時トリグリセライド,レムナント,内臓脂肪,虚血性心疾患
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