特集 これからの高トリグリセライド(TG)血症治療
Ⅰ.リスクとしての高TG血症
3.高TG血症とsmall dense LDL
The Lipid Vol.28 No.1, 27-34, 2017
最近の遺伝学的研究からTGは冠動脈性心疾患(CHD)の発症に原因的に関連することが証明された.高TG血症の動脈硬化惹起性の主因にLDL粒子が小型化することが考えられている.LDLのなかで小型で密度の重いLDLをsmall dense LDL(sdLDL)と称し,催動脈硬化性がより強い.一般的にLDL-コレステロール(C)が軽微な増加にとどまるメタボリックシンドロームや2型糖尿病ではsdLDL分画のみが特異的に増加する.われわれは完全フルオートで測定できるsdLDL-Cホモジーニアス法を開発した.sdLDL-Cの直接定量法は世界中のコホート研究に使用され,sdLDL-CはLDL-C以上に鋭敏なCHDの危険因子と同定された.今後CHDの鋭敏なリスクマーカーとして治療ターゲットにも利用されることが期待される.
「KEY WORDS」トリグリセライド,small dense LDL,コレステロール,冠動脈疾患,インスリン抵抗性
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。