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特集 PPARα revisit

スタチン時代の動脈硬化研究

平田健一

The Lipid Vol.27 No.4, 1, 2016

20世紀後半から21世紀にかけて,LDL受容体の発見やマクロファージなどの炎症細胞の役割,血管内皮細胞が産生するエンドセリンや一酸化窒素(NO)の発見など動脈硬化や血管生物学に関する基礎研究は目覚ましい進歩を遂げた.臨床では,遠藤章博士によるスタチンの発見でLDL-Cの低下療法が可能となり,スタチンが心血管イベントを抑制するエビデンスが数多く報告された.この結果,わが国をはじめ世界で動脈硬化性疾患の予防に関するガイドラインが作成され,スタチンは世界中の臨床現場に普及した.2013年ACC/AHAのガイドライン改訂では,スタチンによるLDL-Cの低下のみがエビデンスであると発表され,“Fire and Forget”か“Treat to Target”か,議論になっている.また,家族性高コレステロール血症(FH)の原因遺伝子のひとつとしてPCSK9が発見され,PCSK9阻害薬の開発により,FH患者でもLDL-Cの管理が可能となった.このように,LDL-Cの重要性が認識され,臨床現場でスタチンが普及し,動脈硬化予防に対する考え方は成熟してきている.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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