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特集 サルコペニア

Ⅲ.サルコペニアの予防と治療 筋衛星細胞活性化による骨格筋再生

瀬原淳子

The Lipid Vol.27 No.1, 55-60, 2016

「Summary」われわれの骨格筋には,高い再生能力がある.それは激しい運動や疾病などで損傷した際,骨格筋専用の幹細胞が効率よく修復してくれる仕組みがあるからである.骨格筋に接し,骨格筋とともにラミニンやコラーゲンからなる基底膜に囲まれているため,骨格筋衛星細胞とよばれるこの骨格筋幹細胞は,恒常的に増殖している腸や皮膚の幹細胞と違い,いつもは静止期にあって細胞増殖を停止している.そして,骨格筋繊維が損傷し,修復・再生が必要となると活性化され,筋芽細胞を産生し,それが増殖・分化して骨格筋を新たにつくり,再生筋形成に寄与する.本稿では,そのような筋幹細胞の活性化と静止期の制御機構に関する最近の研究について紹介する.
「はじめに」筋幹細胞は,筋芽細胞を産生するだけでなく,再び幹細胞を産み出して次の再生に備える自己複製能をもつ(図1).このような巧妙な仕組みを携えることによって,われわれの骨格筋は再生を繰り返すことができるのである1).
「Key Words」骨格筋幹細胞(筋衛星細胞),マイクロRNA(miRNA),静止期,細胞周期

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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