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特集 サルコペニア

Ⅰ.サルコペニアの成因・病態・診断 インスリン・IGF-1作用と骨格筋量調節

笹子敬洋植木浩二郎

The Lipid Vol.27 No.1, 29-33, 2016

「Summary」インスリンは膵β細胞から門脈中に分泌され,インスリン受容体に結合することで,糖や脂質の同化作用に加え蛋白合成や細胞増殖作用を示す.一方でIGF-1には,肝臓から血中に分泌されるものと末梢組織で局所的に産生されるものがあるが,いずれもIGF-1受容体と結合し,蛋白の合成促進と分解抑制,細胞の増殖と分化,筋肥大などの作用を発揮する.遺伝子改変マウスの表現型の解析からも,両シグナルが骨格筋量の維持において重要であることが示されている.その下流分子としてはAkt,およびFoxOやmTORが,主な役割を果たすものとして注目されている.
「はじめに」骨格筋における老化現象として,近年サルコぺニア(加齢性筋肉減弱症)に注目が集まっているが,その病態を考える上で,生理的な骨格筋量の調節機構を理解することが重要である.この調節においてはさまざまな液性因子がかかわっていることが知られており,なかでもインスリンとインスリン様成長因子(insulin-like growth factor;IGF)-1の果たす役割は大きい.本稿では両者の作用についてまとめていきたい.
「Key Words」インスリン受容体,IGF-1受容体,蛋白合成,蛋白分解,細胞増殖

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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