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特集 サルコペニア

特集にあたって

植木浩二郎

The Lipid Vol.27 No.1, 10, 2016

2013年の時点でわが国の65歳以上の高齢者人口は,3,190万人であり全人口の25%を占めるようになっている.2060年にはこれが40%に達すると予測されている.今後ともわが国が継続的に発展していくためには,増加し続けるこれら高齢者の健康寿命を維持・延伸させることが重要である.近年,成人のさまざまな疾患に影響を与える因子として肥満と並んで,特に高齢者においてサルコペニアが注目を集めている.サルコペニアは,1989年にRosenbergによって提唱された病態概念であるが,2011年になるまでその診断基準は明確ではなく,2014年にアジアの診断基準が提示され,いよいよその臨床的・基礎的研究が盛んになってきている.サルコペニアの発症・進展には,骨格筋における代謝・増殖因子シグナル・炎症などのcell autonomousな障害に加えて,骨格筋肝細胞の異常や老化,栄養や運動の不足,糖尿病や整形外科的疾患などの併発症も関与する.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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