「Summary」家族性高コレステロール血症におけるHDLの質的・量的異常およびコレステロール逆転送異常を総説し,CETP阻害薬によるその治療の可能性を述べた.特にヘテロ接合体で表現型Ⅱbでの有用性が示唆された.
「はじめに」家族性高コレステロール血症(FH)はLDL受容体欠損により,高LDL血症兼高Lp(a)血症に低HDL血症を伴う.高トリグリセライド(TG)血症を伴う表現型Ⅱbは高TG血症を伴わないⅡa型よりもその動脈硬化惹起性が高いと考えられている.本稿ではFHの治療としてのコレステリルエステル転送蛋白(CETP)阻害薬の可能性を総説する.
「Key Words」脂質転送蛋白,コレステロール逆転送,preβHDL,Ⅱb表現型,コレステロール流出能