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特集 家族性高コレステロール血症(FH)の新しい治療

Ⅳ.期待される新規治療 MTP阻害薬

小松知広池脇克則

The Lipid Vol.26 No.4, 88-93, 2015

「Summary」Microsomal triglyceride transfer protein(MTP)は,肝臓と小腸においてアポリポ蛋白B(apoB)を含有したリポ蛋白(VLDL,カイロミクロン)の合成・分泌にかかわる蛋白である.MTP阻害薬は,LDLの前駆体であるVLDL産生を抑制することによってLDLの合成を抑制し,血液中のLDL-C低下をもたらす薬剤である.LDL受容体を介して異化を亢進する薬剤(スタチンなど)は,両親から異常LDL受容体を引き継いだホモ接合体FHでは効果が限定されるという点で,異なる作用機序をもつMTP阻害薬への期待は大きい.事実欧米ではホモ接合体FHへの承認を取得しており,現在わが国において臨床治験が進行中である.MTP阻害薬について自験例を交えて概説する.
「Key Words」MTP阻害薬,ホモ接合体家族性高コレステロール血症,肝機能障害

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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