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特集 家族性高コレステロール血症(FH)の新しい治療

Ⅳ.期待される新規治療 PCSK9抗体および核酸医薬品

和田郁人山本剛史斯波真理子

The Lipid Vol.26 No.4, 81-87, 2015

「Summary」スタチンが開発され,LDL-C低下による心血管イベント抑制効果を示すスタディの結果が数多く報告され,世界中で広く使用されて世界の公衆衛生に大きなインパクトを与えてきた.スタチンは著明な高LDL-C血症,若年性動脈硬化症を示す家族性高コレステロール血症(FH)に対しても一定の効果が報告されてきたが,効果は十分ではなかった.Proprotein convertase subtilisin/kexin type 9(PCSK9)は,既知の遺伝子変異を有しないFH家系から連鎖解析によって同定され,創薬のターゲットとして注目を浴びている.PCSK9は,構造的に低分子化合物による阻害効果が見込めないことから,抗体医薬や核酸医薬の開発が行われており,抗体医薬は欧米ではすでに承認されているものも存在する.
「Key Words」家族性高コレステロール血症,PCSK9,抗体医薬,核酸医薬,スタチン

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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