「Summary」ホモFHの病態はLDL受容体経路の機能障害であるため,肝移植によって機能するLDL受容体を補完することは根幹的な治療である.30年以上前からホモFHに対する脳死肝移植が試みられ,強力なLDL低下作用と黄色腫退縮効果が認められている.その一方で,移植手術には大きな侵襲が伴うことやドナー不足,免疫抑制剤の長期服用による弊害などが問題である.2000年に世界で初めて,2歳のホモFHに対してヘテロFHの父親をドナーとする生体肝移植が施行された.レシピエントは脂質低下薬を内服することでヘテロFHと遜色ない脂質管理が維持され,術後15年間大きな問題なく成長している.
「Key Words」生体肝移植,ホモ接合体,皮膚黄色腫,免疫抑制剤
「Key Words」生体肝移植,ホモ接合体,皮膚黄色腫,免疫抑制剤