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症例検討 脂質代謝異常症への多角的アプローチ

虚血性心疾患を伴う高中性脂肪血症症例で同定されたglycosylphosphatidyl-inositol-anchored high-density lipoproteinbinding protein(GPIHBP)1の新規変異とその機能解析

山本浩靖木原進士

The Lipid Vol.26 No.3, 76-80, 2015

「はじめに」高LDL-C(低比重リポ蛋白コレステロール)血症と低HDL-C(高比重リポ蛋白コレステロール)血症は,動脈硬化に起因する心血管疾患の主たる原因であり,スタチン等の血清LDL-C低下治療により心血管疾患イベント発症が減少することが明らかとなっている.一方,高中性脂肪血症が動脈硬化促進的に働くか否かは,疫学的に有意な相関が得られるものの,若干意見が分かれる.高中性脂肪血症自体よりも,随伴するさまざまな要因が動脈硬化の危険因子になる可能性が考えられるためである.中性脂肪代謝の中心的な酵素はLPL(リポ蛋白リパーゼ)であり,血中のVLDLやカイロミクロンに結合して中性脂肪を水解する1).肥満,活動量の低下,飲酒習慣などのインスリン抵抗性を示す病態ではLPL活性が低下し,軽度~中程度の高中性脂肪血症が認められる.一方,1,000mg/dL以上の重症高中性脂肪血症は,遺伝的・機能的なLPL活性の欠損によって生じる.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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