「Summary」慢性腎臓病(CKD)患者では,ミネラル代謝調節障害に伴い,骨病変に加えて,血管石灰化をきたす.リン摂取量増加を感知して骨から分泌されるFGF23はCKDのごく早期から上昇し始める.CKD患者の食事療法において蛋白制限の重要性は失われていないが,リン高値が透析患者のみならず,保存期CKD患者や健常人においても心血管合併症や血管石灰化リスクであることが明らかとなってきた.血管石灰化のリスク軽減のためにも早期からのリン制限が重要である.リン制限にあたっては,食品のリン利用率やリン/蛋白質比なども考慮する必要がある.
「Key Words」慢性腎臓病,中膜石灰化,蛋白制限,リン制限,アミノ酸