「Summary」超高齢化社会を迎えたわが国では動脈硬化性疾患とともに骨粗鬆症も増加している.動脈硬化の進展とともに血管局所での骨分化関連分子の発現増加が観察される.血管石灰化スコアが心血管イベント発症とよく相関することから,血管老化に伴う血管石灰化の分子機構が注目されている.高血圧患者では尿中カルシウム排泄量増加により続発性副甲状腺ホルモン亢進から骨粗鬆症や血管石灰化を助長すると考えられる.また,加えて,われわれは血管局所でのレニン・アンジオテンシン系およびRANKLシステムが血管石灰化形成に関連することを見出した.その制御機構の解明および介入試験によるベネフィットなど今後の発展を期待したい.
「Key Words」血管石灰化,RANKL,高血圧,アンジオテンシンⅡ,エストロゲン
「Key Words」血管石灰化,RANKL,高血圧,アンジオテンシンⅡ,エストロゲン