特集 日本人肥満メタボ型糖尿病の実相,病態,治療
Ⅲ.肥満2型糖尿病の治療とその新展開 肥満2型糖尿病の運動療法
The Lipid Vol.26 No.2, 65-69, 2015
「Summary」
・急性効果,トレーニング効果,エネルギー消費,骨格筋量の増加など,複数の機序で血糖・インスリン感受性が改善する.
・運動の急性効果のためには運動は食後に行う方が望ましく,これにより食後高血糖の是正に貢献する.
・トレーニング効果によるインスリン感受性改善は24~72時間程度で低下するので,2日以上あけないで運動することが望ましい.
・肥満の是正のためには,週300分(60分×週5日)の運動が推奨される.
・筋力トレーニングによる血糖改善のためには,重い負荷を用い,筋量を増加させる必要がある.ただし,高齢者では,有酸素運動に先立って,より軽い負荷で体幹・下肢の筋力トレーニングを行うことで,有酸素運動の安全性や有効性を増す可能性がある.
「Key Words」急性効果,トレーニング効果,エネルギー消費,レジスタンス運動,基礎代謝,内発的動機づけ
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。