「Summary」日本人2型糖尿病患者の平均BMIは増加の一途をたどっている.肥満は2型糖尿病の発症リスクとなるだけでなく,細小血管症や大血管症,死亡のリスクも上昇させることがわかっている.肥満の評価にはBMIが用いられているが,BMIは身長と体重のみから計算されるため,筋量や体内の脂肪分布を表しているわけではなく,臨床研究においては解釈に注意を要する.また,日本人を含むアジア人はBMIが低い段階で糖尿病を発症することが知られており,人種による病態の違いも考慮しなければならない.適切に病的意義のある肥満を抽出し,治療することが重要であり,わが国においても2型糖尿病患者に対する肥満治療のエビデンスが構築されることが望まれる.
「Key Words」2型糖尿病,肥満,疫学,Body Mass Index(BMI),合併症