症例検討 脂質代謝異常症への多角的アプローチ
              
 東日本大震災後の精神的ストレスによる冠攣縮性狭心症活動度の変化:末梢血白血球Rhoキナーゼ活性に基づく検討
                  掲載誌
                
 
                  The Lipid
                  Vol.25 No.3 109-114,
                  
                    2014
                  
 
                    著者名
                  
  
                          二瓶太郎
                        / 
                          高橋潤
                        / 
                          下川 宏明
                        
 
                    記事体裁
                  
  
                          症例
                        / 
                          抄録
                        
 
                    疾患領域
                  
  
                          循環器
                        
                    診療科目
                  
  
                          循環器内科
                        / 
                          心臓血管外科
                        / 
                          手術・救急
                        
 
                    媒体
                  
 
                      The Lipid
                    
 「はじめに」 冠攣縮性狭心症(VSA)は, 心外膜側を走行する冠動脈の異常収縮により, 血管内腔が狭小化し, 血液の供給低下を主体として生じる一過性の心筋虚血に起因する狭心症(supply ischemia)と考えられる. 冠攣縮は狭心症のみならず, 急性冠症候群や重症不整脈, 心臓突然死など多岐にわたる心疾患の発症に関与し, 循環器領域において重要な病態の1つである1,2). 冠攣縮はストレスによって増悪することが知られているが3), ストレス曝露後のVSA症例の疾患活動度の変化は明らかではない. 本稿では, 東日本大震災を経験したVSA患者11例における震災前後での疾患活動度の変化の指標として末梢血白血球中のRhoキナーゼ活性を, また精神的ストレスの指標として心的外傷後ストレス障害(post traumatic stress disorder ; PTSD)スコアをそれぞれサロゲートマーカーとして検討し, そこで得られた知見について述べる4).
          ※記事の内容は雑誌掲載時のものです。