【特集 HDL機能と病態・創薬】
Ⅱ.HDLを標的とした動脈硬化性疾患治療の現状と未来 miRNA-33
掲載誌
The Lipid
Vol.25 No.3 95-101,
2014
著者名
尾野 亘
記事体裁
抄録
疾患領域
循環器
/
代謝・内分泌
診療科目
一般内科
/
循環器内科
/
糖尿病・代謝・内分泌科
/
老年科
/
小児科
媒体
The Lipid
[Summary] miR-33はSREBP-2の遺伝子のイントロン16に存在し, 種を超えて保存されている. 一方, ABCA1の3'-UTRにはmiR-33結合配列があり, miR-33はABCA1を負に制御する. われわれの作成したmiR-33欠損マウスはABCA1, HDL-Cの上昇とともに, 動脈硬化症抵抗性を示した. 現在, miR-33の抑制が臨床応用されようとしているが, われわれはmiR-33欠損マウスが加齢に伴い肥満と脂肪肝を呈することを見出した. これは, miR-33の標的遺伝子にSrebf1が存在することが原因と考えられた. すなわちmiR-33が欠損するとSREBP-1が増加し, 脂肪酸合成の上昇と肝臓への蓄積につながる. したがって, miR-33を動脈硬化の治療標的とする際にはSREBP-1の上昇を考慮する必要がある. 「はじめに」 現在, 動脈硬化に対してはスタチンによる治療がスタンダードとなっている.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。