【特集 HDL機能と病態・創薬】
Ⅰ.HDL機能 亜分画からみたHDL機能
掲載誌
The Lipid
Vol.25 No.3 29-35,
2014
著者名
三井田孝
/
平山哲
記事体裁
抄録
疾患領域
循環器
/
代謝・内分泌
診療科目
一般内科
/
循環器内科
/
心臓血管外科
/
糖尿病・代謝・内分泌科
/
老年科
/
小児科
媒体
The Lipid
[Summary] 高比重リポ蛋白(HDL)は, 脂質およびアポ蛋白組成に多様性があり, 数種類のHDL亜分画に分類できる. 物理化学的な性質の違いにより, 超遠心法, 電気泳動法, 沈殿法, アフィニティークロマトグラフィなどの方法で, HDL亜分画を分離して血中濃度を測定できる. 実験的研究では, HDL亜分画による機能の違いが示されている. 一方, 臨床的研究では, 冠動脈疾患の患者のHDL亜分画濃度や薬物療法によって引き起こされるHDL亜分画の変化は, それらの機能から予想される結果と必ずしも一致しない. HDL亜分画は動的平衡状態にあり, その代謝速度を含めた解釈が必要と考えられる. 「はじめに」 高比重リポ蛋白(HDL)は, ヒトや霊長類を除く哺乳類では最も量が多い主要なリポ蛋白である. HDLは, 他のリポ蛋白よりも早くウマの血清から分離された. 1940年代後半, 密度の差により超遠心法でリポ蛋白を分離する方法が発表され, HDL研究は大きく進歩した.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。