【特集 プラークバイオロジーの解明から新しい冠動脈イメージングまで】
心外膜脂肪と冠動脈疾患
掲載誌
The Lipid
Vol.25 No.2 13-18,
2014
著者名
佐田 政隆
記事体裁
抄録
疾患領域
循環器
/
代謝・内分泌
診療科目
一般内科
/
循環器内科
/
心臓血管外科
/
糖尿病・代謝・内分泌科
/
老年科
媒体
The Lipid
[Summary] ヒトの動脈硬化は, 従来考えられていたよりかなり早期から始まり, 生活習慣病の進行とともに急速に増悪し, 突然イベントを誘発する. その病態においては, 従来研究されてきた脂質の沈着や細胞増殖だけでなく, 血管周囲のvasa vasorumからの新生血管を介した細胞流入や微小出血が関与することがわかってきた. また, 血管, 特に冠動脈周囲には豊富に心外膜脂肪組織が存在し, 血管の慢性炎症に深く関与し, プラークの進展と不安定化に重要な役割を担っていることが明らかとなった. 心外膜脂肪を利用した, 新しい冠動脈疾患の診断や治療の開発が期待される. [はじめに] 最近の研究により, 半数以上の心筋梗塞は内腔の有意狭窄を伴わず虚血を引き起こさないような軽度の病変が原因として生じていることが明らかとなった. そのため, イベントを未然に防ぐためには, 動脈硬化病変が破綻してイベントを引き起こしそうな不安定プラークを検出しなければならない.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。