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家族性高コレステロール血症(PCSK9,ARH)と黄色腫,動脈硬化
掲載誌
The Lipid
Vol.25 No.2 4-10,
2014
著者名
小倉正恒
/
斯波 真理子
記事体裁
抄録
疾患領域
循環器
/
代謝・内分泌
診療科目
一般内科
/
循環器内科
/
心臓血管外科
/
糖尿病・代謝・内分泌科
/
老年科
/
小児科
媒体
The Lipid
[はじめに] 1973年にKhachadurianらは, 遺伝的な背景をもつ高コレステロール血症で優性遺伝形式をとる家系と劣性遺伝形式をとる家系を報告した1). 優性遺伝形式をとる高コレステロール血症については, 後にGoldsteinとBrownがLDL受容体遺伝子の変異が原因であることを突き止め2), 家族性高コレステロール血症(FH)とよばれるようになった. 一方でFHの表現型を示す者の中にLDL受容体遺伝子に変異を認めない患者が存在することも明らかになってきた. 1986年にはLDL受容体に対するリガンドであるアポリポ蛋白B-100 (apoB)遺伝子の変異によりLDL受容体との結合親和性が低下し, FHの病態を示すfamilial defective apoB-100 (FDB)の報告がなされた3). さらに1999年にはLDL受容体, apoBのいずれにも異常を認めない常染色体優性遺伝形式をとる新しい家族性高コレステロール血症が報告され, 2003年にポジショナルクローニング法によってproprotein convertase subtilisin kexin 9 (PCSK9)遺伝子がAbifadelらにより同定された4).
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。