【特集 リパーゼの臨床的意義】
Ⅱ.脂質代謝,動脈硬化における機能と臨床的意義 血管内皮リパーゼの炎症と血清HDL代謝における役割
掲載誌
The Lipid
Vol.24 No.4 41-50,
2013
著者名
石田達郎
/
平田 健一
記事体裁
抄録
疾患領域
循環器
/
代謝・内分泌
/
糖尿病
/
腎臓
診療科目
一般内科
/
循環器内科
/
心臓血管外科
/
腎臓内科
/
糖尿病・代謝・内分泌科
/
老年科
媒体
The Lipid
[Summary]高比重リポ蛋白コレステロール(high-density lipoprotein cholesterol; HDL-C)は, 動脈硬化の発症と逆相関する. 血管内皮リパーゼ(endothelial lipase; EL)は, ホスホリパーゼA1活性を有し, 血漿中のHDL粒子内のリン脂質を分解することによりHDLの代謝を促進し, 血清HDL-C値を制御している. ELの特徴はさまざまな炎症刺激でその発現や活性が亢進することであり, 動脈硬化や炎症性疾患に合併する低HDL血症の原因となっている可能性がある. したがって, ELは選択的HDL増加療法の分子標的の候補として期待されている. また, ELによってHDLリン脂質から産生された脂肪酸は, 炎症などの病態において, エネルギー源となったり, 細胞内シグナルを制御したりすることにより炎症やその修復過程を修飾する可能性が示唆されている.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。