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巻頭言

脂肪組織由来幹細胞からの血小板産生

池田康夫

The Lipid Vol.24 No.2, 1, 2013

山中伸弥博士がノーベル医学生理学賞を受賞されたことは, 暗いニュースの多い昨今, 国民に大きな喜びと勇気を与えてくれたのみならず, わが国の基礎医学の今後の発展にとっても大変意義深いことです. 山中教授はスウェーデンでの授賞式後のインタビューで"受賞は過去のものとして今日から新たな研究のスタートを切り, iPS細胞研究が一刻も早く難病に苦しむ患者さんを救うための創薬や再生医療として実を結ぶように努力したい"と述べておられました. まさに研究のあるべき姿を改めてわれわれに教えてくださった言葉でした. iPS細胞の報告以来, 再生医療の実現にむけた研究は加速し, メディアを通じて国民の期待は一段と高まっています. 確かにiPS細胞は創薬や難病発症機序の解明に大きな成果が期待できる非常に有効な手段ですが, 再生医療となると山中教授も述べられているように, その実用化にはこれから何年もの年月が必要であり, 解決すべき難題は少なくないと思われます.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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