<< 一覧に戻る

特集 腸管からのシグナル

特集にあたって

島野仁

The Lipid Vol.23 No.3, 16-17, 2012

脂質領域において腸管の働きといえば, カイロミクロンの生成, 分泌, 胆汁酸・コレステロールの腸肝循環などを中心に, 腸内からの栄養と体内の情報にはやりとりがあるという印象を漠然と感じてはいた. 時代とともによく知られたこれらの栄養のやりとりのモルキュラー的なエポックの歴史は積み重ねられ, 腸管粘膜細胞におけるapoB遺伝子のmRNA editingによるapoB-48の産生, ABCG5/8, NPCL1によるコレステロールや植物ステロールの吸収分泌などが解明され注目されてきた. これらのあゆみは本誌『The Lipid』でも, その都度紹介されてきたとおりである. 最近, 腸管や腸内環境は, 単に栄養の消化, 吸収にかかわるだけでなく, 免疫, 代謝, 内分泌と広い分野において全身の臓器シグナルのネットワークの一角として注目されている. また外部環境とされていた腸内細菌の生体内のホメオスタシスへの関与, そして生活習慣病, 肥満や動脈硬化への影響が逐次報告されている.

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

一覧に戻る