Summary
冠動脈の粥状動脈硬化プラークの破綻あるいはびらんと,続発する血栓形成が急性冠症候群を発症させる.酸化LDLとその受容体LOX-1は脂質の蓄積と催炎症,血管壁細胞死,マトリックスメタロプロテアーゼ(MMPs)の産生などを誘導しプラーク破綻に導く.白血球から産生されるミエロペルオキシダーゼ(MPO)は,酸化ストレスを惹起させる.急性冠症候群の急性期診断あるいは発症予測のバイオマーカーとして,虚血による心筋傷害を反映するトロポニン,H-FABPに加え,プラーク破綻や不安定化を反映するsoluble LOX-1(sLOX-1),MMP-9,MPO,炎症の指標である高感度CRP,ペントラキシン3 (PTX3)などの有用性が示されている.
全文記事
急性冠症候群研究の最前線
急性冠症候群のバイオマーカー
掲載誌
The Lipid
Vol.22 No.3 37-44,
2011
著者名
久米典昭
記事体裁
特集
/
全文記事
疾患領域
循環器
/
代謝・内分泌
診療科目
循環器内科
/
糖尿病・代謝・内分泌科
媒体
The Lipid
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。