Summary
コレステロール逆転送系は,末梢細胞で異化できないコレステロール分子を胆汁酸に異化するために肝臓へと運ぶシステムである.したがって,細胞コレステロールの上昇を感知して,これを細胞外に排出するのがその第一歩となる.これには,界面活性ヘリックス型アポリポ蛋白質と細胞脂質からのHDL粒子新生を触媒する膜蛋白質ABCA1と細胞外リポ蛋白質への膜コレステロールの放出を触媒するABCG1やSR-B1などのシステムがあり,LXRを介して発現が増加する.マクロファージからのコレステロール放出においても基本的には同じシステムが,apoptosisやそのほかの理由で死滅した細胞の処理を行うため,ほかの細胞よりは積極的にコレステロールを搬出しうると考えられ,その一つが界面活性ヘリックス型アポリポ蛋白質であるアポEを自ら合成しABCA1の助けを借りてアポE-HDLを新生できる.
全文記事
新しいマクロファージ
Ⅱ.病態 マクロファージと「コレステロール逆転送」
掲載誌
The Lipid
Vol.22 No.2 81-87,
2011
著者名
横山信治
記事体裁
特集
/
全文記事
疾患領域
循環器
/
消化器
/
脳血管障害
診療科目
一般内科
/
循環器内科
/
心臓血管外科
/
脳神経外科
/
神経内科
媒体
The Lipid
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。