Summary  スカベンジャー受容体は,アセチルLDLや酸化LDLなどの修飾LDLをリガンドとする受容体ファミリーで,多様な分子構造を示すものが含まれ,組織・細胞分布もさまざまである.いずれの受容体も修飾LDL以外に種々の物質をリガンドとして認識し,そのため生体内における機能も多彩であり,動脈硬化における役割も当初考えられていたほど単純ではないことがわかってきた.マクロファージの泡沫細胞化に主要な役割を果たすのはSR-A(CD204)とCD36であるが,いずれもパターン認識受容体として生体防御におけるマクロファージの活性化や炎症制御にも関与している.SR-Aは炎症抑制性に働き,CD36は炎症促進性に作用することから,このような機能が動脈硬化病巣形成にも影響している.