Summary  肥満によるインスリン抵抗性の発症において重要な役割をもつ脂肪組織マクロファージは,単一の細胞集団ではない.悪玉的な性格を有するM1マクロファージ以外にインスリン感受性と相関が強い,善玉的なM2マクロファージが存在する.これらマクロファージはさまざまなインスリン感受性状態においてその分布パターン,数,比率をダイナミックに変化させる.複雑で多様なこれらM1/M2マクロファージの機能や制御機構を明らかにすることがインスリン抵抗性の新たな治療戦略のターゲットとなりうると考えられ,さらなる発展が期待される.