Summary  マクロファージのperoxisome proliferator-activated receptor γ(PPARγ)およびliver X receptor(LXR)の抗動脈硬化作用,LXRおよびvitamin D receptor(VDR)の自然免疫作用が明らかになった.酸化低比重リポ蛋白質成分によって活性化したPPARγは,LXRαとオキシステロール合成酵素CYP27A1の発現を誘導する.オキシステロールなどによるLXRの活性化は,マクロファージのアポトーシスを抑制して,コレステロール逆転送とプラークからの遊走を刺激する.LXRは,細菌感染によるマクロファージのアポトーシスを抑制し,またアポトーシス細胞の貪食を亢進する.マクロファージは,結核菌成分による刺激を受け,ビタミンD-VDRシグナル系を亢進し,オートファジーを介する抗菌作用を及ぼす.マクロファージの核内受容体は,動脈硬化,感染症,免疫疾患の有望な分子標的である.