Summary  マクロファージ(macrophage)は活発な貪食能を特徴とする細胞で,取り込んだ物質をライソゾーム内で消化,分解する能力が高い.また,種々の物質を分泌する細胞でもある.貪食と分泌機能を介して,免疫システムの中心的役割を担うと同時に種々の代謝にも密接に関与する.マクロファージ前駆細胞は骨髄で産生され,単球に分化して血中を循環し,通常血管外に出てマクロファージに分化する.マクロファージ前駆細胞は多様な機構によって種々の機能を保有する組織マクロファージになり,組織特異的な機能を発揮する.M- CSFやGM-CSFなどの増殖因子はマクロファージの分化環境を規定する重要な因子である.