全文記事
                
 
                脂質研究の過去・現在・未来―創刊100号を迎えて―
              
 (100号によせて)Is Hundred Years' Cholesterol War Over?
                  掲載誌
                
 
                  The Lipid
                  Vol.21 No.4 25-27,
                  
                    2010
                  
 
                    著者名
                  
  
                          馬渕宏
                        
 
                    記事体裁
                  
  
                          特集
                        / 
                          全文記事
                        
 
                    疾患領域
                  
  
                          循環器
                        / 
                          代謝・内分泌
                        
                    診療科目
                  
  
                          一般内科
                        / 
                          循環器内科
                        / 
                          糖尿病・代謝・内分泌科
                        / 
                          老年科
                        
 
                    媒体
                  
 
                      The Lipid
                    
 「病気との戦い」(闘病)は個人の問題であるが, 「疾患との戦い」となれば人類の課題となる. 感染症における病原菌の発見とその撲滅はまさに戦争である. コレステロールと動脈硬化に関する論争は約100年前(1908年)のPinkus & Pickが黄色腫の中にコレステロール結晶を証明したころから始まっている. その後, 家族性高コレステロール血症(FH)にみられる黄色腫と動脈硬化の関係が示唆され, 動脈硬化のコレステロール原因説がいわれるようになった. 1913年Anitschkowは家兎にコレステロール食を負荷し, 人と同様の動脈硬化が発生することを明らかにした. 彼の業績を顕彰して, 2010年度のヨーロッパ動脈硬化学会のAnitschkow賞はBrown博士(1985年ノーベル賞)に贈られた. わが国では1922年, 山川章太郎先生, 柏原正己先生がホモFHと思われる35歳の男性で全身性黄色腫と心症状を伴う1例を発表した1).
          ※記事の内容は雑誌掲載時のものです。