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脂質研究の過去・現在・未来―創刊100号を迎えて―

(100号によせて)あぶら屋一筋,40年を振り返って

松澤佑次

The Lipid Vol.21 No.4, 23-24, 2010

私が学外研修を終えて大阪大学第二内科に入局し, 研究グループとして脂質研究室に属したのは, まったく学問的な理由ではなく, 学生時代から可愛がってもらっていたクラブ(謡曲)の先輩の礒崎正弘先生から誘っていただいたからである. 当時の脂質研はメンバーが5, 6名の小グループで, 私自身脂質とは何か, 脂質研がどんな研究をしているのかを知らないまま(チーフであった山本章先生が今でも, 松澤はグリセロールの構造式も知らなかったとよく言われる)研究室に入り, 山本先生が発見したコラルジルによる薬剤性リピドーシス症例の肝臓脂質をテクニシャンのように分析していたものである. 当時は脂質という言葉自体も一般的ではなく, 業者にものを電話で注文するとき, 宛先を「しぼうの脂と質量の質です」というと, 「死質研」と書かれていたという時代だった. 私は, 山本先生のご指導でビスモノアシルグリセロリン酸(BMP)という特異な酸性リン脂質がコラルジルという冠拡張薬のリソソームへの蓄積に伴って産生されるという事実を明らかにし, 学位をとったが, さらにそのメカニズムを明らかにするために, カリフォルニア大学サンディエゴ校教授で, カルディオリピンやフォスファチジルグリセロールの合成経路を明らかにしたHostetler教授のもとに1977年から2年間留学した.

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