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血管の画像解析
第6回 Ⅱ.末梢動脈へのアプローチ 末梢動脈造影法の活用
掲載誌
The Lipid
Vol.21 No.2 64-68,
2010
著者名
飯田 修
記事体裁
連載
/
全文記事
疾患領域
循環器
/
脳血管障害
診療科目
循環器内科
/
心臓血管外科
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脳神経外科
/
神経内科
/
放射線科
媒体
The Lipid
「はじめに」末梢動脈疾患の診断および治療方法の選択において, 画像診断の果たす役割は大きい. 患者に対して低侵襲かつ簡便な超音波検査や, 装置の高速化に伴い短時間に広範囲で詳細な画像を評価可能とするCT・MRI検査は中心的な検査方法である. それに対して, 動脈造影は治療に直結する診断方法として依然重要な役割を担っている. 本項目においては, 実際の臨床現場での治療適応に対して血管造影をいかに活用するかを概説する. 「頸動脈(図(1))」頸動脈病変に対する治療戦略において, 頸動脈ステント術(CAS:carotid artery stenting)か内膜摘除術(CEA:carotid endoatherectomy)かはいまだ議論が続いている. 治療適応は症候性では50%以上狭窄であり, 無症候性では80%以上狭窄でいずれかの治療適応となる. CEAハイリスク((1)症候性心疾患合併, (2)重篤な肺疾患, (3)対側頸動脈閉塞, (4)対側咽頭神経麻痺, (5)頭頸部根治術または放射線治療療法の既往, (6)CEA後再狭窄, (7)80歳以上)症例に対しては, SAPPHIRE trialでは, 30日以内の脳卒中・死亡・心筋梗塞発生率+1年以内病変側脳卒中および死亡は, CAS12.2% v.s. CEA20.1%でありCASの有効性が証明されている1).
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。