全文記事
脂質代謝異常と腎臓の接点
メタボリック症候群とCKD
掲載誌
The Lipid
Vol.21 No.2 26-30,
2010
著者名
井関邦敏
記事体裁
特集
/
全文記事
疾患領域
高血圧
/
代謝・内分泌
/
糖尿病
/
腎臓
診療科目
一般内科
/
腎臓内科
/
糖尿病・代謝・内分泌科
/
老年科
媒体
The Lipid
[Summary]わが国の透析導入患者の約43%は糖尿病であり依然として増加傾向にある. その原因となるメタボリック症候群, 肥満は男性および高齢者で増加している. 最近, 糸球体ろ過量(GFR)の推定をもとにした慢性腎臓病(CKD)の概念が導入された. 分類法が簡明であり専門家の予想以上に世界中に受け入れられた. メタボリック症候群, 肥満とCKDの関連についても報告が増加し, BMIとCKDの頻度は正の相関をすることがメタ解析により示された. 2008年度より開始された特定健診(いわゆるメタボ健診)はメタボリック症候群の早期発見, 指導を通じ合併症の発症予防, 医療費の減少を目指している. 生活習慣の是正によりCKDの発症, 進展が阻止されると考えられる. 「はじめに」日本透析医学会の調査によると年度末透析患者数は依然として増加し続けており, 効果的な対策が急務である. わが国は健診事業の歴史がふるく国民全員が一生に一度は検尿を受けている.
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。