<< 一覧に戻る

ω3多価不飽和脂肪酸―最近の進歩―

(病態生理)ω3多価不飽和脂肪酸と中枢神経疾患

橋本道男蒲生修治片倉賢紀Hossain Shahdat

The Lipid Vol.19 No.4, 67-74, 2008

最近の疫学研究により, アルツハイマー病(AD), パーキンソン病, うつ病などの中枢神経疾患の発症と魚摂取量との関連性が明らかにされ, その根拠となる科学的エビデンスに注目が集まっている. 魚油に豊富に含まれるω3多価不飽和脂肪酸はドコサヘキサエン酸(DHA)やエイコサペンタエン酸であるが, われわれは脳の主要構成脂肪酸であるDHAの機能性に着目し検討を行い, DHAによる認知機能向上効果, 脳内抗酸化活性増強作用, βアミロイド蛋白凝集・解離作用, さらにはADモデルラットの認知機能障害に対する予防・改善効果などを明らかにした. これらの成果は, ω3多価不飽和脂肪酸による中枢神経疾患の予防・改善効果の可能性を示唆している. 「はじめに」ω3多価不飽和脂肪酸(ω3PUFA), α-リノレン酸(18:3n-3)やその代謝産物のエイコサペンタエン酸(EPA, 20:5n-3)やドコサヘキサエン酸(DHA, 22:6n-3)などは必須脂肪酸であり, われわれはこれら脂肪酸を食事栄養としてとらねばならない.

記事本文はM-Review会員のみお読みいただけます。

メールアドレス

パスワード

M-Review会員にご登録いただくと、会員限定コンテンツの閲覧やメールマガジンなど様々な情報サービスをご利用いただけます。

新規会員登録

※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

一覧に戻る