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血清脂質管理と冠動脈イベント

The Lipid Vol.18 No.2, 22-28, 2007

日本人の高コレステロール患者52,421人をコホートとし, シンバスタチンの長期投与の効果を観察した大規模観察研究であるJ-LIT(Japan Lipid Intervention Trial:日本脂質介入試験)研究で調査期間中の平均血清脂質(以下血清脂質)値と冠動脈イベントの関係を解析した結果, 一次予防では, 総コレステロール値が240mg/dL以上, LDLコレステロール値が160mg/dL以上の群で有意に相対危険度が高かった. HDLコレステロールは, 40mg/dL未満の群で相対危険度が高く, 50mg/dL以上の群では相対危険度は有意に低かった. 二次予防では, LDLコレステロール値が140mg/dL以上の群で有意に相対危険度が高かった. 血清脂質と総死亡の関係では, 一次予防群でLDLコレステロール値が160mg/dL以上の群では死亡の相対危険度は高くなるが, 一方, 80mg/dL未満の群でも相対危険度は高くなり, 癌などによる死亡が多かった. スタチンによりコレステロールが予期以上に低下した場合には, 癌などの発症などを十分観察する必要がある. 以上, J-LITの結果より, 日本人の高コレステロール患者の冠動脈イベントの一次予防には, LDLコレステロール値は160mg/dL以下, HDLコレステロールは40mg/dL以上にすることが望ましく, 二次予防にはLDLコレステロール値は140mg/dL以下, HDLコレステロールは40mg/dL以上にすることが望ましい.

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※記事の内容は雑誌掲載時のものです。

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