非アルコール性脂肪性肝疾患(nonalcoholic fatty liver disease:NAFLD)は肝疾患死亡リスクの高い非アルコール性脂肪肝炎(nonalcoholic steatohepatitis:NASH)を10~20%含み,NASHは肝疾患関連死や肝移植の主因となりつつある。一方,成人の4人に1人が罹患するNAFLD全例に肝癌のサーベイランスを行うことは医療経済的に非効率であり,高リスク症例を効率的に拾い上げることが重要である。治療に関しては生活習慣の改善以外に確立された治療法はないが,NASHでは糖尿病合併例が多く,体重減少作用を有する新規抗糖尿病薬(SGLT2阻害薬やGLP-1受容体作動薬)や今後登場する新規の選択的PPARαモデュレーター(SPPAMα)への期待が大きい。本稿ではこれら薬剤への期待と今後のNASH治療薬のパイプラインについても解説し,NAFLD/NASHのマネージメントについて肝臓専門医の立場から考えたい。
特集 糖尿病と肝臓
NASH/NAFLD・肝癌マネージメント ①肝臓専門医の立場から
掲載誌
Diabetes Frontier
Vol.28 No.6 685-691,
2018
著者名
岡上 武
/
角田 圭雄
/
熊田 卓
/
米田 政志
記事体裁
抄録
疾患領域
代謝・内分泌
/
糖尿病
/
消化器
診療科目
糖尿病・代謝・内分泌科
/
消化器内科
媒体
Diabetes Frontier
Key Words
肝生検/肝線維化/肝発癌/NASH/PNPLA3
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。