2型糖尿病・肥満などの生活習慣病の発症には,さまざまな遺伝因子と環境因子が関わると考えられている。そのなかで,環境因子がエピゲノム制御機構を介して細胞・組織の遺伝子発現を長期的に制御し,体質や表現型の形成に大きな影響を与え,疾患の発症に関わる可能性が指摘されている。エピゲノム制御機構とは,DNAの塩基配列変化を伴わずに,DNAメチル化やヒストン修飾といったクロマチン修飾を介したゲノムの印付けにより遺伝子発現を制御する仕組みであり,細胞の表現型における一種の記憶装置(細胞記憶)として機能している。
先制医療における栄養の役割―ライフコースヘルスケア―
食事はメモリーされる:栄養・代謝とエピゲノム
掲載誌
Diabetes Frontier
Vol.28 No.6 617-621,
2018
著者名
荒木 裕貴
/
日野 信次朗
/
中尾 光善
記事体裁
抄録
疾患領域
代謝・内分泌
/
糖尿病
/
栄養管理
診療科目
糖尿病・代謝・内分泌科
媒体
Diabetes Frontier
※記事の内容は雑誌掲載時のものです。