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第5回 小胞体ストレスとインスリン抵抗性

Diabetes Frontier Vol.28 No.5, 575-580, 2017

小胞体は,インスリンやインスリン受容体などを作る場であることから,小胞体の機能が障害(小胞体ストレス)をきたすと糖尿病となることは自明である。しかし,糖尿病の原因の1つとして小胞体ストレスが注目されてきたのはこの十数年である。すべての細胞は,小胞体ストレスに適応するために小胞体膜上に存在するストレス伝達蛋白質IRE1,PERK,ATF6を起点とする応答機構をもち,それにより小胞体での蛋白質合成を維持している。近年では,この小胞体から発せられるシグナルが,小胞体での蛋白質の品質管理だけでなく,細胞全体あるいは個体での代謝の制御も行っていることが明らかとなり,糖尿病や肥満との関連が注目されている。インスリンは,インスリン受容体のリン酸化,インスリン受容体基質(insulin receptor substrate:IRS)のリン酸化,PI3キナーゼの活性化,Aktのリン酸化とその下流シグナルの活性化により,取り込み,グリコーゲン合成,脂肪酸合成,糖新生抑制に制御するが,小胞体ストレス応答シグナルはこのほとんどのステップに影響することがわかってきた。本稿では,小胞体ストレスとインスリン抵抗性との関連について,小胞体ストレス応答と代謝シグナルのクロストークの観点から概説する。
「KEY WORDS」小胞体ストレス応答/IRE1/ATF6/PERK/化学シャペロン

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抄録